椿の挿し木と管理

椿の挿し木と管理

挿し木の時期

・    新梢が固まる6月中旬~7月下旬が適期(梅雨期)

・    3~4月に挿し木する場合は、前年枝のタケノコ芽を欠いておく

挿し木の用土

・    赤玉の小粒は細根が密に発生し、根張りが良い

挿し床

・    6~7号の駄温・浅鉢が扱いやすく、10~15本ほど挿せる

挿穂の調整

・    先端の葉を2~3枚つけて、6~10cmの長さにし、切り口は水平に切る

(斜め切りは新根の発生が悪い)

・    1時間ほど水揚げさせる

挿し方

・    挿し床に灌水しておき、挿穂の2分の一を挿し、ぐらつかないように軽く押さえる

・    下葉を土に埋めると落ち着きが良い。間隔は互いの葉が軽く重なり合う程度

・    挿し終わったら、灌水して溝を埋め、穂を安定させる

置き場所

水遣り

施肥

・    1ヶ月間は風のあたらない、明るい日陰で安静にする(ほぼ1ヶ月で発根)

・    挿し木後、10日間は毎日軽く灌水する。それ以降は、挿し木自身の給水が始まるので、挿床が乾いてきたら与える程度にする。

・    椿の根は常に土中の空気を必要とするため、水不足には耐えるが、過湿には弱いので、水のやり過ぎに注意する

・    施肥は2ヵ月後から開始する

1年後の植替え

・    挿し床で伸びた新梢が固まる6月中旬~7月上旬にポリ鉢に植え替える

・    用土は(小・中粒等量)の日向土3・赤玉土4・鹿沼土2・パーライト1の割合

・    半日陰に1ヶ月程度置く。施肥は2ヵ月後から始める

2年後の植替え

3年後の植替え

・    新梢が固まる6月中旬~7月上旬に一回り大きいポリ鉢に植え替える

・    3月上旬芽が動き出す前に5号の駄温鉢に、植え痛みしないように植え替える

 

鉢植椿の管理

花芽を着ける

ための管理

①   500~600倍液の施肥は4月上旬で止める。4月下旬~9月まで施肥をしない。

②   花芽形成のホルモンが送られる5月下旬~6月中旬の間は水を控えめにし、根鉢を乾燥気味にする。(新梢がしおれ気味になるのを待って水をやり、これを1ヶ月間繰り返す)。

6月下旬以降、水やりを正常に戻す。

③   蕾の着きにくい品種には、矮化剤(スミゼブン)を5倍に薄めて、萌芽前か新梢の伸長停止後、枝葉に2~4回散布すると効果がある。

 

蕾の着きすぎ

・蕾は葉5~7枚以上の小枝に1個が標準で、それ以上は早期(8~9月)に摘蕾する。

鉢植えの用土

 

3年毎に植え替える、通気性と保水性の良いもの

鹿沼土(小・中粒等量)と日向土(小・中粒等量)の割合

 

植替えの適期

梅雨期(6月中旬~7月中旬)

根づまりした苗

の扱い方

①   長い根を切る。

②   根鉢の底を2~3cmほど切り捨て、竹箸で根をほぐす。

③   水中で根の土を洗い、長い根や固まった細根を2分の一ほど切る

④   それに合わせて、上の枝も2分の一ほど切詰める

 

鉢植えの置所

・    午前中2~3時間日が差し、午後は明るい日陰になるような所

・    終日、日が差すところでは葉焼けを起こす

整枝と剪定

(2~3年毎に)

・    3~4月。花が終わってから芽が動き出すまでの間(花後剪定)。水揚げが盛んになる4月以降は、根圧によって切り口からの樹液が止まらなくなる。

・    毎年、新梢の頂点に花芽が作られるので(頂芽優勢)、バランスと日照、通風を考えながら内芽を欠いたり、枝すかし(からみ枝、平行枝、徒長枝、車枝、垂れ枝、ひこばえ等を切る)を行う。

・    夏にもう一度土用芽が伸びることがあるが、この芽には決して蕾は着かないので、

10月に入ったら切ると良い。それ以前では再度芽が伸びてくる。