アジサイの育て方    

                                              

雨に濡れたアジサイの美しさには心打たれるものがあります。次にアジサイをより美しく、また好きな色を保つ上で知っておきたいこと、花色と土、水、肥料との関係について説明します。

 

植替え適期: 2/下旬~3/下旬頃。花芽の分化開始が10/中旬~11/上旬頃からなので、その時期を避けること。 元々暖地性植物なので冬枯れも起きやすい。そのため早春の植替えの方が良い。

 

花色と土・肥料の関係

◎ 花色: 日本は雨が多く、基本的に酸性土壌(PH平均5.5~6)で、土壌や水には、アルミニウムが豊富に含まれている。アルミニウムは水に溶けやすいので、自然の状態における露地植えのアジサイは、自身の持つアントシアニンが働いて青色に発色する。

・ 花色変化のメカニズムは複雑で、酸度調整だけでは思い通りの色になるとは限らない。本来アジサイは品種毎に固有の色を持っており、生産農家はそれをよりきれいに発色させるため、土や肥料、水やりの調整に苦慮している。また同じ株の中でも枝により花色が微妙に異なるのは、根が水分を吸収する度合いが一様でないためである。

 

◎ 土と花色の関係: 何も加えていない里山などでは、目の覚めるようなきれいなブルーの色になる。しかし、一般に客土で造成された庭の土は、アルカリ生土壌に傾いていることが多い。

を保ちたい時: 地植えでは土を酸性にする鹿沼土やブルーベリー用土等を加える。 鉢植え用土としては、市販品の使用が簡単であろうが、赤玉小粒6にブルーベリー用土4が適当であろう。

したいとき: 苦土石灰草木灰などを加える。鉢植用土としては、赤玉小粒7、腐葉土3、苦土石灰を一握りの割合でブレントする。 (ちなみにコンクリート壁に植えられたアジサイや、隣りの植物に与えた肥料の影響と思われる、ねぼけた薄いピンク色のアジサイがあちこちに見受けられるのは、アルカリ性土壌によるものである) 

白色系品種には: 土壌や肥料の影響は見られない。

紫色にしたければ: 青色系品種をアルカリ土壌に、赤色系品種を酸性土壌にする。 これがまた大変美しい。

 

 肥料 2/下旬~3/下旬頃、元肥として有機肥料(油かす)を与える。花後はお礼肥え(化成肥料)を。

 ①赤色: リン酸を多く含む骨粉や魚粉の入った固形油粕を。

 ②青色は: 石灰を除いた、リン酸値の低い固形油粕を。

 ③市販品 株数が少なければ市販品の使用が便利。

 

切りと剪定

◎ 花柄切り 花柄切りは、養分の消費を減らし、樹高の高さを抑えて、来年も良い花を咲かせるためである。切らなくても咲かないことはない。一般の旧枝咲きアジサイの剪定は、花芽の形成時期との関係上、7月下旬まで、遅くとも8月中旬のお盆までに、花首から2~3節下の葉の1~2センチ上で切る。花を付けなかった枝は、短かければそのままに、高く伸びていれば花柄切りと同じ高さに。(新枝咲きのアナベルや霧島の恵みなどは、春に伸びた新しい枝に花を付けるので、何時、どこで切っても良い) 

 ①花芽の形: 気温が18℃を下がる10/中旬~11/上旬頃から、切った直ぐ下の1~3 節の両脇に2芽づつ形成される。そのため深く切ったり、秋以降に剪定すると花を付けないことになる。

 ② 花柄切りをせずに冬枯れまで花の変化を楽しみ、かつ翌年咲かせる方法がある。京成バラ園の村上氏の説によると、花首から3節下までの脇芽を爪で全て欠いておき、冬になって葉落したら爪で欠いた上をカットする。下の芽が膨らむとき葉が多く残っでいるので枝も充実し、翌年も花を付ける由。是非お試しあれ。

 

 剪定 アジサイを剪定する理由は、年々20~30センチも伸びるアジサイを低く抑えるためである。株全体を低くしたい時は、翌年の花を諦めて、根元から20㎝上の所でバッサリと刈る。程々に咲かせたいときは、青い花芽の付いた枝を残して、他は中間位の所で切る(但しこれはまた直ぐ大きくなる)。株を透かす方法は、2~3月に青い元気な枝や丸く大きな花芽のある枝だけ残して、太く木質化した枝や細い枝をまぶく。