アジサイの挿木・害虫対策など 

 

       アジサイ挿木・害虫対策など    

  

 アジサイの挿し木は容易で、その方法も色々あり、まとめるのに一苦労しました。

 挿木の時期と土 

① 時期: 4/下旬~7/初旬頃。 

② 差し枝: 先ず挿木には、花を付けなかった枝を使う方法と、花柄切りの際の枝を使う方法がある。前者の方は養分が消費されていないので良いと考える人もいる。挿し木は双方可能であるので、試されてほしい。

③ 天芽挿しと挿し: 挿し穂には、先端を使う天芽挿しと、その下の部分を使う管挿しを使う方法がある。  花を付けなかった枝の、天芽挿しの方が活着した場合、翌年花を付けやすいと、説明する人がいる。しかし、柔らかいとしおれやすいので、しっかりした枝を。 また早めに挿すと、鉢上げ作業が1ヶ月早く、夏前にできよう。  管挿しであれば節の両脇に芽が見えてきた頃ものが良いだろう (活着すると芽が伸びてくるので解りやすい)。

④ 差し穂の準備: 挿し穂は長さは10~15cm位。根は比較的、節から出やすいので、2節は確保する。表面積を増やし、切り口の細菌防止と組織破壊を防ぐため、節の下1cmを良く切れるハサミかカッターナイフで斜めに切る。また水分の蒸散を防ぐため、葉を2枚だけ残して全て切り落とし、残した葉も1/2~1/3にカットし、30分~1時間水を吸わせる (メネデールがあれば、1000倍液に漬けておく)。

 鉢と土:5~8号鉢で清潔なもの。肥料分のない赤玉土・小粒の単用がお薦め。市販の挿木用土は最良。小さめの方が根の回りが早いと浅鉢か3号ポット(直径9㎝)に挿す人もある。土は濡らしておくこと。

 

挿し方とその後の手入れ 

 挿し方: 割り箸で穴をあけ、切り口をつぶさないように。一節は土に埋めて3㎝位挿し、指で軽く押さえる。鉢の縁に沿って挿すと枝が固定されるためか、成績が良いようだ(発根剤・ルートンがあれば、挿し穂に付けて挿す)。 挿した後は上からジョウロでたっぷり水をかける。鉢は風通しの良い明るい日陰に置く。

② やり: 1週間ほど、葉と土を湿らす程度にやる、当座の1~3日は受皿に水を少しためておいても良い。 その後の水やりは、自力で水を吸い上げるので程々に。葉がしおれている時や晴れて気温が高い時の朝・夕の霧吹きは効果的。1ヶ月ほどで活着する。それまでは絶対に触らないこと。

 鉢上げ・肥料: 梅雨開け前の鉢上げは、そっと根を傷めないように。その後であれば、真夏は避けて秋頃に。2週間位は、直射日光を避けた風通しの良い所に置く。肥料は、緩効性の固形肥料・マグアンプK・中粒(N・P・K・Mg=6・40・6・15)を、少々土に混ぜ与える。春には油粕を。上手に育てれば6月頃には花を楽しめるだろう。

 

 備  考  害虫対策              

◎ アジサイにはあまり虫は付かないが、一般の害虫対策としては株元をきれいにし通風を図ること。殺虫剤としては、オルトラン顆粒が便利。効果は2~3週間、また1.5m以上ある木への吸い上げは無理な模様。

アブラムシは光るものを嫌うらしいので、金銀のテープやアルミホイルを巻きつけてみるのも良いだろう。

晩夏~秋、コガネムシが植木鉢に好んで産卵し、根の養分を吸い上げるので、オルトラン顆粒を散布しておく。

◎ 株元からオガクズが出ていたら、果樹やバラの大敵・ゴマダラカミキリムシの疑いあり。成虫は6~10月にかけて200粒ほどの卵を産み付け、幹の芯を食べて成長するので被害甚大。幹の穴にピンを指すか、オルトラン等の原液をピポットで注入する。梅雨の初め頃出て来た成虫は補殺するしかない。未だこの虫の効果的な対策法が見つからない。我が家では今年・6~7月に60匹余を補殺したが、とても追いつけない。以前は知らないため数本のバラを枯らした。今年も元気のないバラが゙出てきている。梨農家は一日に4回見回るとか。

◎ 菊の先端が折れて曲がっているのは、キクスイカミキリムシの仕業で、菊の茎に5ミリほどの間を置いて2本の平行線をつけ、その中に卵を産み付る。幼虫時に茎のズイを食害し、根の部分で越冬する。卵が植え付けられた茎の部分はハサミでカットする。

水揚げ方法  

アジサイは水揚げが悪く、茎を水の中で切る「水切り」だけではあまり水を吸い上げないので、茎の下を十文字状に切るか、茎を軽く叩いて潰す。もしくはコンロで茎を炭になるまで焼く(この方法は桜など花木を生ける時も同様)。 また花瓶の水を冷たく保つために、保冷剤を入れておき、時々替えるのも一方法である。

元 肥 

植物全般に与える肥料は、2月下旬~3月下旬頃。土にとっては有機肥料が最良。植物全般の植え付け時に、緩効性の固形肥料・マグアンプK・中粒(N・P・K・Mg=6・40・6・15)を。リン酸の割合が40もあり、花つきが格段に良くなる。